都市伝説・・・奇憚・・・掲示板 4554235


怖い話投稿掲示板

1:管理人 :

2011/06/07 (Tue) 20:54:32

体験談以外の怖い話専用投稿掲示板です。
126:しろ :

2011/10/07 (Fri) 16:54:53

ゆきは・・・

533 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 04/03/27 04:07
この話は誰にも話したことがありません。
こうした掲示板だからこそ話せるというか・・・
長くなりますが、とにかく聞いてください。

私は大学最後の夏に、サークル仲間と伊豆大島にいきました。
仲間の一人の実家が民宿をやっているので、そのツテです。

初日二日と王の浜や弘法浜で泳ぎまくったあと、三日めは三原山をメインに、島の観光スポットを回りました。
その夜のことです。
相当疲れていましたが、怪談話大会をすることになりました。
中心はもちろん地元のUです。

U含め6人で借りている大部屋に車座にすわり、
午後10時過ぎくらいから始めましたが、12時を回るころにはUの話に引き込まれっぱなしでした。
地元ネタというのは、はっきりいってズルい。
「ある人がトイレに入っていると・・・」
などという怪談は誰にでも当てはまる話とはいえ、その分パンチ力に欠ける。
それに対して、今来ている島の怪談なんて、俄然雰囲気が違います。


534 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 04/03/27 04:08
そんなわけでゾクゾクしながらUの話を聞いていると、ひと区切りついたところで、
「スイカでも食べてて」と、Uは中座しました。

30分くらいしてから半紙を持って帰ってくると、
「次の話はマジやばいぞ」と言って明かりを消してから、机の上に置いた半紙を懐中電灯で照らしました。
「この話はな、昔からこのあたりでは口に出したらだめだと言われててな、こうして紙に書きながら進めるのよ。
 めんどいから、いっぺんに書いてきた」
これはほんまもんだと、直感しました。
しかし6人で囲むと逆さから読む人間がいるので、「読みにくい」ということになり、
「いいから口で話してよ」と一人が言いました。
「いや、マジやばいんだって」というUをなだめすかして、怖いもの見たさで喋ってもらうことになりました。
私はちょっとビビりの方なので、正直逃げたかった。
「責任持たんからな」と言って、Uはポツポツと語り始めました。


535 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 04/03/27 04:09
「昔、この島の北の漁港のあたりにな、ゆきっていう名前の娘が住んでたんだと。
 父親は漁師で、母親はゆきが小さい頃に海で溺れ死んでいた。
 ゆきは飴売りをしながら父の仕事も手伝う働きものだったが、18の歳に重い胸の病にかかってしまった。
 医者に助からないと言われ、嫁入り間近だったゆきは一方的に破談されて、ついに発狂してしまった」
「ちょいまって、それいつの話?」と誰かが口を挟みました。
「さあ。たしか明治に入っての話だったかな。

 とにかく、発狂したゆきは、一日中わけのわからないことをぶつぶついいながら、歩き回るようになった。
 哀れに思っていた周囲の人々も次第に気味が悪くなって、父親にあたるようになった。

 父と子の二人暮しでは、漁に出ている間は面倒を見てやれない。療養所にいれる金もない。
 父親も途方にくれた。

 そんなある日の晩、ゆきは姿を消した」


536 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 04/03/27 04:10
「次の日、漁師仲間が前の晩に、父の船に乗って海に出て行くゆきを見たと言う。
 『月の明るい晩じゃったけ、横顔がはっきり見えたよ』
 『なぜ止めてくれんなんだ』と言う父に漁師仲間は、
 『もうひとり乗っとったが、あれはお前さんじゃなかったのか』
 騒然となり、漁師仲間も手伝って探すことになった。

 やがて漁に出ていた仲間の知らせで、沖の方でゆきの乗った船が見つかったという。

 曳航されてきた船には、ゆきの変わり果てた姿が転がっていた。
 ゆきは一人であったが、おそらくゆきを連れ出した誰かがやったのだろうと言われた。
 その者は、ゆきと心中しようと沖に出たのか、あるいは争って海に落ちたかのか。
 いずれにせよ生きてはいまい。
 そんな所に話は落ち着いたが、内心誰もが思っていた。
 『人の仕業ではない』と。
 ゆきの首は捥がれていた。

 ・・・・それ以来yきはyきhわたしはhhじゃのいうとおりhhじゃのまつうなばらへ出た。
 凪いだうみに手がのぼってきた。
 とてもとても深いうみぞこからの白い手が幾ほんものぼってきた・・・」


537 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 04/03/27 04:11
私たちは動けなかった。声も出せなかった。
Uの声ではなかった。
転がった懐中電灯が窓を照らしていたが、誰もそちらをみなかった。
Uが喋っているような、しかし別のどことも言えないようなところから、聞こえてくるようでもありました。
そこから先は、子音が連なっているような音が聞こえるだけで、内容が聞き取れませんでいた。

しかし、最後にはっきりとこう聞こえた。
「富士の影がきれいで」
その声に反応したように、一人がUの肩を激しく揺すりました。
どう考えても途中から、怪談の続きとしては文脈がおかしかった。
私も半泣きになりながらUを揺すりました。

Uはすぐに正気にもどったようでしたが、やたらと「眠い」を連発して、気を失うように眠ってしまいました。
私たちは顔を見合わせて、なんとなく気まずく怪談大会をお開きにしました。

どうしても気になって、寝る前にUが用意していた半紙の最後のくだりを見ると、
「それ以来、ゆきはこの話をする人間の元に、」
ここまで読んで、私は半紙を破りました。


538 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 04/03/27 04:12
翌朝Uは、昨日のことを覚えてないと言いました。
「うっそー。俺あれ話したんかー?
 いや、まあいいよどうでも」
蒸し返すのも後味が悪くて、私たちはもう何も言いませんでした。

しかし、これだけはなぜか気になっていたので、帰る前に「富士の影って何」と聞くと、
「富士山の影?それがなに?」
「いや、なんでもない」

なんとなくUには聞きづらいので、お世話になったUの親にこっそり聞きました。
「ああ、満月の夜なんかには、まれに見えるよ。
 明るくて空気が澄んでて、海面の温度とかの条件が合ったら、夜中でもここから」


539 名前: おわりです 04/03/27 04:13
その出来事以来、この話は誰にも話していません。
口に出すのがどうしても、もう生理的にだめです。あの時のUの声が頭にこびりついているようで。

一昨年私の祖父が死んだ時、通夜で仏さまのそばで寝ていると、夜中にその祖父の声を聞いた気がします。
その声を聞いて、何かがわかった気がしました。
あの時のUの声が女性の声だったら、たぶん私たちはすぐにパニックになって、Uを叩いて揺すったでしょう。
Uの声は祖父の声のように、女性とも男性とも我々が直感しない、死者の声でした。

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